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2010年11月09日

原木持ち込みオーダー(沖縄県N様)

カマゴンの原木持ち込みでのオーダーをいただきました。
江戸与那型を新垣喜盛が製作します。

オーダーされたN様は有名な民謡歌手のお兄様だそうで。
ご自身も謡い手さんだったのですがお体を壊されて、
現在は三線を聞いて、そして観て愉しんでらっしゃるそうです。
オーダーいただいたのも、棹とカラクイの取り付けまでで
「かーぎ(姿)」を味わうそうです。

原木持ち込みオーダー(沖縄県N様)

さてさて、お持ちいただいたカマゴンの原木は知り合いから入手したそうですが
質のよい木なのですが、ちょっといただけない点がいくつかありましたので
参考までに解説させていただきます。

角材の状態からおおまかに三線の形にすることを「アラワチ」※といいますが
※漢字ではどう書くのでしょう?荒割ち?
あまり良くない削り方をされていました。

原木持ち込みオーダー(沖縄県N様)

↑ 芯の部分が足りません。
☓印されている部分は切り落としますので
その部分を下の写真のように反対側にもっていかないといけません。

他の三線屋さんではどうなんでしょう?
切り落とさないで芯をずらして、いわゆる「シンアガヤー(芯上がり)」の状態にするのでしょうか?
池武当新垣三線店では、意図的に「シンサガヤー(芯下がり)」にすることはよくありますが
「シンアガヤー」はナシです。
切り落として、くっつけてでも「シンアガヤー」を避けます。 

原木持ち込みオーダー(沖縄県N様)

そして、芯の根元が帯ノコで半分くらい切り込みが入れられていました。
う~ん、もったいない(>_<)

原木持ち込みオーダー(沖縄県N様)


一見すると割れがないように見えるものでも

原木持ち込みオーダー(沖縄県N様)


中では割れていることも少なくないです。

原木持ち込みオーダー(沖縄県N様)

まあ、これはよくあることで削ってみないとわからないこともあるのですが
下の写真のように割れを予め埋めて、意図的に隠していることもあるのです。
ご注意を。

原木持ち込みオーダー(沖縄県N様)

残念なアラワチでも、あとは職人の腕しだい。
綺麗に仕上げてくれるでしょう。楽しみです。



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