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2012年04月04日

オーダー カマゴン・江戸与那型(山口県M様)④

ご注文いただいた江戸与那型のカラクイを差し込む穴をあけます。
この作業が最も緊張します。

江戸与那型は穴の位置や勾配が特徴があり、型の美しさを決める大切な要素です。

予め位置を定め、ドリルで穴をあけ、広げていくうちに角度の微調整を行います。










江戸与那型のカラクイミー(カラクイを差し込む穴のこと)は上の写真のように穴が中心よりやや下方にあいてあります。※与那城型も同様

理由はこの型を発明した名工与那城が“後世の職人がこの型をより良い形に改良を加えられるように(カラクイ穴より上方を削る)その余地を残した”といわれているそうです。
いわゆる”与那城さんのメッセージ説”です。

どこか素敵な感じがしますが、
当店では2点ほど解釈を付け加えています。

一つは、トゥーイ(野面 弦を押さえる面)を削り直す余地。
永く三線を使い続けていくとトゥーイが凹んできますので、削り直し、修正しなければならなくなります。何回かこの作業を繰り返すうちに当然棹も薄くなっていきますので、予めカラクイを下方にあけているということ。
まぁ、先にお伝えしたメッセージ説と後々三線に修正を施すという点では同じことなんですが、若干ニュアンスが違いますね。

あと一つは、与那城型は基本形が野面から女弦まで一直線に伸びるような形状なので、カラクイ(特に女弦)を下方に下げることで勾配をつけしっかりと歌口にテンションがかかるようにしているということです。

細かいところで理にかなった作りをしているんですね。
もう少し説明したいところがありますが続きはまたどこかで。


長文失礼しました。
Mさんあと少しで完成です。
もう少々お待ちくださいませ。


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